吉中晋吾・バーグインベスト代表
ニューヨーク金先物相場が底堅く推移している。米株式相場の上昇に対する警戒感に加え、世界的な金融緩和傾向や中東情勢への根強い懸念が下支え要因となり、市場で「金の持たざるリスク」が意識されているためだ。当面の取引レンジは、1オンス=1500〜1600ドルと想定している。
米地区連銀総裁らが相次いで、政策金利は据え置かれるとの見通しを示している。連邦準備制度理事会(FRB)がしばらく、金利を維持することが市場で織り込まれており、(金利の付かない)金にとってサポート要因だ。
米株価の強基調はまだ続く見込みだが、株高の調整に対するリスク回避や低金利環境の継続見通しを背景に、金は買われやすいと考えている。(了)
[時事通信社]
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