週明け日本時間14日午前のニューヨーク金先物相場は強含み。午前11時半現在、中心限月12月きりは、1オンス=1958ドル近辺と、前週末11日の清算値(1947.90ドル)を上回って推移している。足元ではドル指数の低下を眺めてやや買いが優勢であるものの、15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に様子見ムードも強まっている。

バーグインベストの吉中晋吾代表は米実質金利の動向に注目、「FOMC前で実質金利が動意薄なことから、NY金は動意薄を強いられる」と予想する。その上で、FOMCについては「発表内容には大きなサプライズはなさそうだ。通過後も金相場は1900~2000ドルのレンジが継続する」とみている。

世界最大の金上場投資信託(ETF)SPDRゴールド・トラストの金保有高をみると、11日は前日比5トン減の1248トンと、前月25日(1248.90トン)以来の1250トン割れとなった。吉中氏は「一部はハイテク株の下落時に発生した穴埋めなどに使われた」と指摘する。

米ハイテク株には急落からの持ち直しの動きも出てきた。吉中氏は「投資家は動かない金よりも、動きのあるハイテク株に注目し、資金を振り向けている」といい、安全資産としての保有意欲は根強いものの、新規買いが入りにくい状態が続くとみている。(了)