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配信元:時事通信社
投稿:2020/07/31 15:27
 吉中晋吾・バーグインベスト代表=大阪取引所のJPXゴムRSS先物相場は、株価など外部要因次第で振れやすい不安定な展開になりそうだ。先ぎりの継続足をみると、6月8日に付けた先ぎりの直近高値167円60銭が大きな節目として意識され、この水準を突破できれば、テクニカル的には180円程度まで上値を伸ばす可能性がある。しかし、突破に失敗すれば、155〜165円程度のレンジ相場に再び逆戻りとなりそうだ。
今週のゴムは、週末に崩れながらも、おおむね堅調に推移してきた。産地相場の上昇や、当先限月間の順ざや縮小によるさや滑り懸念の後退など、ゴム市場独自の要因もある。それ以上に、パーム油や非鉄、貴金属など、投機資金が流入した他商品の上昇に影響された部分が大きかった。
このため、現在のゴム相場をみる上では、独自要因よりも、市場全体の投資マネーの流れへの目配りが欠かせない。たとえば、株式市場については、これまで米国で株価を押し上げてきた個人投資家の買いが、今後も続くのかといった視点が重要だ。米中対立の深まりや新型コロナウイルスの感染拡大、自然災害といったリスク要因が浮上する中で、ポジション調整の動きが広がるようであれば、ゴムも追随して調整安となる。
半面、今週発表された2020年4〜6月期実質GDP(国内総生産)が過去最悪のマイナス成長となった点などは、相場への織り込みが進んでおり、弱材料をこなして投資マネーによる株式の買いが続くようであれば、ゴムも堅調に推移するだろう。(了)
[時事通信社]