吉中晋吾・バーグインベスト代表＝来週の東京ゴムＲＳＳはしっかりか。先ぎり予想レンジは１４５〜１６０円。基調としては底堅い状況が続くとみているが、１５５円台を固めるかどうかは、なお株式や原油の状況次第だろう。
株式や商品などの市場全般の取引は少しずつ回復傾向を示しており、取組高も増えている。しかし、依然として新型コロナウイルス問題の影響で、市場参加者の心理は落ち着いていない。
そうした環境でＲＳＳの先ぎりは、４月上旬の１４０円台割れ局面から１５５円超まで戻してきた。ただ、今週に入って株安やニューヨーク原油（ＷＴＩ）期近限月の急落を受けて再び売られるなど、まだ下値を固めきったとはいえない状況にある。商品相場の急変動で証拠金が臨時的に増額された影響もあり、投資家の市場参加意欲は冷めている。
経済活動が回復すれば、ゴムのタイヤ向け需要は必ず戻ってくるものだ。マーケットが現在のように「焼け野原」と言ってもいいほど冷めている局面が、長い目でみれば買い仕込みの好機である点は、もっと意識されてもいい。ＷＴＩの期先は期近のようには崩れておらず、ＲＳＳも次第にＷＴＩ期先をにらんだ動きになるだろう。（了）
［時事通信社］