配信元:時事通信社
投稿:2019/12/20 12:57
吉中晋吾・バーグインベスト代表=来週の東京ゴムRSSは、方向感が出にくいと予想。ただ、年末を控えて買方ファンドが手じまいに動いた場合、下振れする場面もありそうだ。先ぎりの予想レンジは185〜200円。

RSSはゴムの木の真菌病による被害や、タイ政府の価格てこ入れ策などを背景に、10月上旬から上昇が続いていたが、今週後半に下落した。商社の採算価格を上回ったため、つなぎ売りが出た。また、当ぎりと先ぎりの順ざや幅が大きく開いたことから、今後のさや縮小を見込んだ期近買い・期先売りの動きがあり、全体の圧迫材料になった。

現在のRSSのポジションは、ファンド筋は買い、一般投資家勢力は売り、当業者が中立と、大きく三つに分けることができる。ファンド筋の買いポジションは相場上昇で利が乗っており、彼らは流動性の低下する年末年始は偏ったポジションを持ち越さない習性があり、利益確定の売りが出れば下振れ要因になる。

もっとも、世界的なカネ余りの中で、ゴムやパーム油、コーヒーなどのソフトコモディティーが投資マネーの受け皿の一つになっている点は見逃せない。そうした世界的な投資マネーの動きは、RSSの下支え要因として働くだろう。

不確定要素は、弱気投資家の動向だ。10月以降の上昇で踏み上げを強いられた結果、かなり痛手を負っているはずだが、今週後半の下落局面では再び売り直す動きが見られた。来週以降の動きに注目したい。(了)