運用者の頭の中


10日午後1時1分(米中通商協議)を控え、市場の動きもレンジ内でランダムな動きとなっている。今週は、基本的にはリスク回避の流れの中、アジア時間から株式を中心に売りが先行し、円・ゴールド・米国債・フラン等にリスク回避の資金が移動する動きとなっているが、行き過ぎる事も無く、米中のディールを警戒しつつレンジ内の調整となっている。

ゴールドに関しては、材料が揃っているにも関わらず若干動きが鈍く、アセット・マネージャーも、第一の打診買いエリア(1270ドル割れ)以降、タイミングの見極めに二の足を踏んでいる様にも伺える。その代わりでは無いが、VIXは投機筋のポジション量的にも反発のタイミングに差掛かっていた事もあり、6日以降、上昇に転じている。

 

さて、仕事の関係で同業と話す機会も少なからずあるのだが、優れた運用者(ファンドマネージャー、ディーラー)は、規模の大きい運用会社、名も知られていない日系運用会社関わらず何処にでもいるのだなと感じる事が多い。

 

一般的なマーケットアナリシスのイメージと言えばメジャーな投資銀行等関係者の発言が注目され、“それ”が今の流れである事は認識しているが、長年、運用の世界で働かせて頂いた経験から述べると、「この人本当に凄いな」といった運用者はほぼ表に出てこない。

勿論、例外はあるが、表に出てきたとしても基本的には「当たり前の事」「基礎の話」が中心であり、小遣い稼ぎや名前を売ると言った事は一切頭にない。

 

本人たちも、エンターテイメントには興味が無く、本当に「大切な話」が出来ないのであれば表に出る必要性も感じない、という事になる。

因みに、筆者も土台となる話以外、つまり相場の上げ下げや展望の話には興味なく、講演の依頼が来ても丁寧に断るようにしている。

また、“この”スタンスで良いと思っている。

 

ただ、本当に価値ある大切な話を出来る人たちが殆ど表に立つこと無く、その代わりにメディアがパンダを作り上げマーケットを語らせる“今”を見ていると、日本もまだまだだな・・と感じる。(何十年も前から同じだけども)

 

因みに、優れた運用者を見ていると、基本的には“価格”そのものでは無く大衆の感情を物差しにして物事をハンドルする事に長けている人が多い。

今回(米中協議)も、大衆が情報に対して動く振れ幅を想定し、その先のピークアウトを出口の一つにする流れをイメージしている運用者も少なからずいる。

 

何時か、チャンスがあれば表に出ない人たちと何らかの活動をスタート出来ればと思っている。

話しを振っても「勘弁して!」で終わるかもしれない。「吉中さんが行動するなら」と言ってくれる人もいるかもしれない。

 

何か出来ればと思う。

 

 

 

 

 

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About 吉中 晋吾 (よしなか しんご)

バーグインベスト株式会社 代表取締役社長 日系資金運用会社にてチーフディーラー兼ジェネラルマネージャーとしてデリバティブ運用業務、ディーラー育成に従事した後、2012年バーグインベスト株式会社設立。現在、同社代表。 国内外の裁定取引、スプレッド取引にフォーカスした運用スタイル。これまで指導してきたディーラーも国内外で独立し活躍している。 現在の会社では、市場研究とトレーダー/ディーラーの育成に力を入れており、また個人投資家に対しても基礎を中心とした教育プログラムを提供している。